高橋氏の累代の城。天文、永禄年間は高橋玄蕃、行友兄弟が居城としており、大内氏、後は毛利氏に属していたようですが、毛利氏の九州遠征に従軍した際に留守を尼子軍六千に攻められ、留守を守る高橋庄九郎らが防戦したものの落城し、残兵は幸山城へと逃れたそうです。
ただ、永禄年間頃には尼子氏の勢力は衰退してきており、備中南部まで遠征してこられる状況かは疑問もあり、この伝承の真偽はわかりかねます。
城跡は山陽自動車道が貫く八幡山の頂上部にあり、酒津八幡山山頂遺跡の一部となっていますが、破却後の現在では、曲輪も殆ど型を留めていません。
実家の窓からはっきりと見える山上にある城跡で、昔からいつか山頂へ登りたいと思っていました。
水江の渡し跡を抜けて狭い道を進むと非舗装の荒れた道になります。
そのまま北へと進んで行くと眼前の山腹に八幡宮の石段が見えてきます。この石段の麓に八幡宮参拝用の駐車場所があるので駐車します。
階段を登りきると八幡宮に到着。この神社の裏山の頭頂部が流山城跡です。
この神社から上には登山道がありません。国土地理院の地図を見ると山頂への登山道が描かれているのですが、ぐるっと廻ってみてもそのような道は見当たりません。
バードウオッチングで訪れる方は神社裏右手に進んだところにある岩場の道を伝って山頂へ登られているそうです。(目印があります。)
ただ、ここを力任せに登り始めてみたものの、後ろを振り返ると遮る物も無く、眼下に高梁川の流れが見えるため足がすくんでしまいます。
岩山登山に慣れた方には容易なのかもしれませんが、経験がない私には難攻不落に思われ、途中まで覚悟を決めて頑張ったものの、結局断念しました。
以前より何度もチャレンジしているものの今回も失敗という結果でした。
<平成30年11月再訪>
以前は倉敷市街地から向かう場合、南の船穂橋を渡るか、北へ登って川辺橋を渡る必要があったのですが、倉敷大橋が整備されたため容易に対岸に渡れるようになりました。
また、川嶋ノ宮八幡宮は近年綺麗に整備され、登城道ともなる参道の石段も作り直されて大変登り易く、見晴らしも良くなっています。
今回、今迄チャレンジしてきた岩場のルートについては私には危険度が高いと判断し、神社奥の土の斜面をそのまま直登することにしました。
棘のある雑木がかなり茂っており登り辛いのですが、木の枝に掴まりながら登ればどうにか斜面を登っていくことは可能です。
一部、斜面が崩れており注意を要する箇所も見受けられますが、どうにか念願の山頂まで到達することが出来ました。
山頂も雑木が生い茂っていますが、登山者用に綺麗に道が開かれており、八幡山山頂の看板と三角点があるところが頭頂部と思われ、本来本丸となる箇所と考えられます。
ただ、一帯はある程度平坦であるものの自然傾斜面が続き、曲輪や虎口、土塁、井戸跡など人工的な城跡遺構と思われるものも見当たりませんでした。
これは城の破却によるものか、それともこの遺跡は伝承にある城跡ではなく、あくまで八幡山頂遺跡の集落地だということなのかはわかりません。
ある程度想定していたことではありましたが、念願の登頂成功で高揚した自分には些か残念でなりませんでした。
ここから北側方面には、軽部山城跡、井原鉄道の鉄橋などが見渡せ、南側方面には青江城跡、酒津公園、倉敷市街地を見下ろすことができます。
帰りは岩場の道を降ることも考えたのですが、これ、絶叫アトラクションかァ!と思うほど急斜面ですよ!無理!無理!無理〜!
結局、登ってきた神社側の斜面をそのまま降りました。命は大事です。無理はしないようにしましょう。
<旧登城時> | |
<流山城遠景その1> 青江城の北、旧清音村(現総社市清音)へ入る手前辺りから撮影。 |
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<流山城遠景その2> 柳井原から入った八幡山南側。山頂周辺に岩肌が覗く。 |
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<八幡神社への階段(旧景)> すぐ近くには酒津焼の兜山窯がある。 ※兜山窯の直売店は、倉敷駅前商店街(一番街)にある。 |
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<階段上の八幡宮(旧景)> 普段は訪れる方もいないようです。背後の山頂が城跡です。 本殿の周囲には崩れかけた土壁があり、 |
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<山腹(東面)からの景色> 左端に山陽自動車道、右端に青江城跡が見える。 |
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<城跡への(岩場)登山ルート> 岩肌の急斜面になっている。 足場は僅かな幅しかない為、すべり落ちると、そのまま下まで落ちる可能性が高い・・・。城跡で朽ち果てるのも一興かとは思うが。 |
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<今登城時> | |
<川嶋ノ宮八幡神社への参拝口> 参拝道は綺麗に整備された。 駐車場も広く確保されている。 |
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<八幡神社への階段(現景)> 以前に比べて大変綺麗に整備されている。 曲がりくねっていた箇所も真っすぐになっていて登り易い。 途中に休憩場所も設けられており、見晴らしも良く疲れを癒せる。 石段は415段。(高低差74.19m) |
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<階段上の八幡宮(現景)> こちらも綺麗に整備されている。 拝殿だけでなく、本殿も綺麗に整備され、本殿周りのボロボロだった土壁は撤去されている。 こんなところにポケGOのジムが作られていたため配置。(苦笑) |
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<山頂部の平坦面> 平坦ではあるが緩やか自然傾斜があり、岩なども取り除かれていない。 また、土塁や虎口など城郭としての明確な加工面が見当たらない。 バードウオッチングで登るとのことだが、鳥の姿も見当たらない。 |
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<本丸と考えられる最高所> こちらも曲輪のような明確な加工が見当たらない。 地面には八幡山の三角点。 |
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<八幡山の高度を示すプレート> やっと辿り着いたという実感。 たった138mだが。 |
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<山頂部の岩> 大きな岩が積みあがったような箇所。 |
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<山頂部から総社市方面の眺望> 奥の右側に軽部山城跡、左側には高梁川上に井原鉄道の鉄橋が見える。 更に見渡すと、夕部山城跡や馬入道山城跡なども確認できる。 |
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